この記事では、PMBOKの勉強を進めるうえで、一番重要な文書である「プロジェクト憲章」とは何かをサンプルを公開しながらご説明しています。
PMBOKを勉強しはじめると、一番最初に「まずプロジェクト憲章をつくります」と出てきます。案外この単語、聞き覚えのない人が多いと思います。
架空の案件のプロジェクト憲章のサンプルを作成したので、プロジェクト憲章がどんなものか、ご紹介してみましょう。
提案書だとか、設計書だとかで、プロジェクトのゴールなども文書化されているでしょう。
PMBOKで、プロジェクト統合マネジメントの立上げプロセスの一番最初に出てくる、「プロジェクト憲章作成」というプロセスは、「みんなが知っているはずのこと」を明示的に文書化して、プロジェクト憲章(Project Charter - プロジェクト・チャーター)を作るというものです。
私が働いている企業では、部内に「プロジェクト憲章のテンプレート」なるものが存在しています。
プロジェクトに任命されたPM(プロジェクト・マネージャー)は、必ずテンプレートに従って、プロジェクトの早い段階でプロジェクト憲章を完成させなくてはいけません。
多くはすでに存在する情報を集めて作るのだけど、もし情報がなかったら、会議をして、情報収集したり、関係者に意思決定をしてもらいます。
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あくまでこれは、私はこんな風にやっているよ、というサンプルです。
以下に3枚の画像を貼り付けました。小さい場合は画像クリックしてください。
まず、プロジェクト憲章にはプロジェクトの目的を書きます。
予算とか、想定される効果なんて書くと良いでしょう。
この時点で見積もりが完成していないかもしれないので、その場合は概算予算とかでも良いかも。関係者に「どのくらいの規模の案件なのか」を周知しましょう。
プロジェクト開始前なので、仮の情報も多いでしょう。
わかっている範囲でいいので、スケジュールやプロジェクトの組織図を入れましょう。何ヶ月・何年の案件なのか、10人のプロジェクトなのか・100人プロジェクトなのか、などの時間軸や規模がわかれば良いのです。
現時点で想定しているスコープも入れましょう。厳密にはスコープ定義は計画プロセスで実施するので、現時点のスコープです。システム化してお客さんに引き渡すだけなのか、それともシステム化して運用も自分たちでやるのか、そういった枠組みレベルのスコープがあると良いでしょう。
プロジェクトを進めるうえでのリスクも、大きなものを書いておきましょう。本当にこのプロジェクトはこのメンバーに任せて良いのか、といった根本的な部分を偉い人に判断してもらうのです。
ステークホルダーも書いておきましょう。プロジェクトが進んでいくと、人が入れ替わったりします。新しい人が「誰がどこに責任があるの?」と混乱しないためにも、一覧を入れておくと良いでしょう。
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重要なポイントを押さえつつ、プロジェクト憲章が実際にどんなものなのか、イメージしてもらうために作りました。
プロジェクトの立上げ段階で、部門のトップレベルが意思決定をするために作られるドキュメントなので、必要な情報を漏れなく簡潔に記載することが重要です。ワードなのか、パワポなのか、紙なのか、電子ファイルなのか…職場によって正解は変わってくるでしょう。
今の職場では、現行のテンプレートの情報量が多すぎる(だいたいWordで7ページ)ことから、情報を1ページにまとめた簡略版に見直す動きが始まっています。
必要事項を漏れなく簡潔に記載するのが大事です。
なお、プロジェクト憲章を作る時点では、プロジェクトにおける未確定要素もいっぱいあります。でも、分からないことを明らかにする、というのも立派なプロジェクトのタスクです。
未確定な要素はプロジェクトの「リスク」として対応方針を記載したり、プロジェクトの計画プロセスで明確化したりして、良い意味で「先送り」することも大切です。
また、プロジェクトに変化はつきものなので、最初に作ったプロジェクト憲章を、後日改訂することももちろんあるでしょう。関係者の承認のもとで、変更していくことも大事です。
以上、「プロジェクト憲章とはどんな文書なのか」ということをご説明してきました。PMIに入会したら、英語のテンプレートが入手できたりします。(見たことがないけれど)
また、Google画像検索で「プロジェクト憲章」なんて検索すると、いくつかのサンプルが見えたりするので、イメージが湧いてくるかもしれませんよ。
なお、新サイトStudy-PMに、少し違う視点から、プロジェクト憲章に関する記事を書きました。こちらもあわせてご覧ください。より簡潔にしたプロジェクト憲章のサンプル(1ページ)も掲載しています。
http://study-pm.com/practice/what_is_project_charter/
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PMBOKを勉強しはじめると、一番最初に「まずプロジェクト憲章をつくります」と出てきます。案外この単語、聞き覚えのない人が多いと思います。
架空の案件のプロジェクト憲章のサンプルを作成したので、プロジェクト憲章がどんなものか、ご紹介してみましょう。
プロジェクト憲章とは何?
多くのプロジェクトでは、関係者が「どんな目的か」「どんなスケジュールか」「関係者が誰か」というのを無意識のうちに共有できていると思います。提案書だとか、設計書だとかで、プロジェクトのゴールなども文書化されているでしょう。
PMBOKで、プロジェクト統合マネジメントの立上げプロセスの一番最初に出てくる、「プロジェクト憲章作成」というプロセスは、「みんなが知っているはずのこと」を明示的に文書化して、プロジェクト憲章(Project Charter - プロジェクト・チャーター)を作るというものです。
私が働いている企業では、部内に「プロジェクト憲章のテンプレート」なるものが存在しています。
プロジェクトに任命されたPM(プロジェクト・マネージャー)は、必ずテンプレートに従って、プロジェクトの早い段階でプロジェクト憲章を完成させなくてはいけません。
多くはすでに存在する情報を集めて作るのだけど、もし情報がなかったら、会議をして、情報収集したり、関係者に意思決定をしてもらいます。
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プロジェクト憲章の具体例
さすがに私の会社のプロジェクト憲章のテンプレートを公開することはできないけれど、どんなことをどんなフォーマットで書くのか、ご紹介しましょう。あくまでこれは、私はこんな風にやっているよ、というサンプルです。
以下に3枚の画像を貼り付けました。小さい場合は画像クリックしてください。
まず、プロジェクト憲章にはプロジェクトの目的を書きます。
予算とか、想定される効果なんて書くと良いでしょう。
この時点で見積もりが完成していないかもしれないので、その場合は概算予算とかでも良いかも。関係者に「どのくらいの規模の案件なのか」を周知しましょう。
プロジェクト開始前なので、仮の情報も多いでしょう。
わかっている範囲でいいので、スケジュールやプロジェクトの組織図を入れましょう。何ヶ月・何年の案件なのか、10人のプロジェクトなのか・100人プロジェクトなのか、などの時間軸や規模がわかれば良いのです。
現時点で想定しているスコープも入れましょう。厳密にはスコープ定義は計画プロセスで実施するので、現時点のスコープです。システム化してお客さんに引き渡すだけなのか、それともシステム化して運用も自分たちでやるのか、そういった枠組みレベルのスコープがあると良いでしょう。
プロジェクトを進めるうえでのリスクも、大きなものを書いておきましょう。本当にこのプロジェクトはこのメンバーに任せて良いのか、といった根本的な部分を偉い人に判断してもらうのです。
ステークホルダーも書いておきましょう。プロジェクトが進んでいくと、人が入れ替わったりします。新しい人が「誰がどこに責任があるの?」と混乱しないためにも、一覧を入れておくと良いでしょう。
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プロジェクト憲章に決まりはない
ここでご紹介したプロジェクト憲章はあくまで架空のものです。重要なポイントを押さえつつ、プロジェクト憲章が実際にどんなものなのか、イメージしてもらうために作りました。
プロジェクトの立上げ段階で、部門のトップレベルが意思決定をするために作られるドキュメントなので、必要な情報を漏れなく簡潔に記載することが重要です。ワードなのか、パワポなのか、紙なのか、電子ファイルなのか…職場によって正解は変わってくるでしょう。
今の職場では、現行のテンプレートの情報量が多すぎる(だいたいWordで7ページ)ことから、情報を1ページにまとめた簡略版に見直す動きが始まっています。
必要事項を漏れなく簡潔に記載するのが大事です。
なお、プロジェクト憲章を作る時点では、プロジェクトにおける未確定要素もいっぱいあります。でも、分からないことを明らかにする、というのも立派なプロジェクトのタスクです。
未確定な要素はプロジェクトの「リスク」として対応方針を記載したり、プロジェクトの計画プロセスで明確化したりして、良い意味で「先送り」することも大切です。
また、プロジェクトに変化はつきものなので、最初に作ったプロジェクト憲章を、後日改訂することももちろんあるでしょう。関係者の承認のもとで、変更していくことも大事です。
以上、「プロジェクト憲章とはどんな文書なのか」ということをご説明してきました。PMIに入会したら、英語のテンプレートが入手できたりします。(見たことがないけれど)
また、Google画像検索で「プロジェクト憲章」なんて検索すると、いくつかのサンプルが見えたりするので、イメージが湧いてくるかもしれませんよ。
なお、新サイトStudy-PMに、少し違う視点から、プロジェクト憲章に関する記事を書きました。こちらもあわせてご覧ください。より簡潔にしたプロジェクト憲章のサンプル(1ページ)も掲載しています。
http://study-pm.com/practice/what_is_project_charter/
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